Music Characters

 


「(欧米)ポップスファンから見た和製ポップスの流れ」其の8(完)の巻

いやはや、このミュージックコラムのシリーズ「(欧米)ポップスファンから見た和製ポップスの流れ」も今回で8回目です。このシリーズを始めたのは、「ホンキーのJポップ企画(クールナイトニッポン)」に連動して欧米ポップスの日本歌謡界への影響を私なりに書いてみようと思ったのがキッカケなのですが、何とここまで続けてしまいました。当初は2〜3回で終わらせようと考えていましたが、私の性格上チョット無理でしたナ・・・・。

このシリーズで過去7回に渡って書いてきた事意外にも、まだまだ書き残していることは結構あります。例えばブルースやソウルミュージック(R&B)の影響はどうだったのかとか、欧米以外の所謂ワールドミュージックの影響力とか色々ありますが、これをやっていくとキリがなくなり、それこそ本が2、3冊出来上がってしまう程になってしまいます。という訳で一応このテーマに関しての見解は今回で終わりにしておきます。

このテーマでまた書きたくなりましたらパート2(書き残したところ)をやりたいのですが、どうも90年代以後のJポップ界に関してはあまり興味が湧かないのもあり、先に進めないという事もあります。というのは90年代から現在までのJポップ界の動きはどうも過去の動向の焼き直しのような感じがして、いま一つ新しいムーブメントらしいものが生じていないと思うのです。確かに現在ではヒップ・ホップやラップ、レゲエ、ニューソウル等の傾向は随所に見られますが、これらにしてもただ各リズムに日本語で歌詞を乗せているだけのように思え、日本的な感覚を盛り込めずに大きな流れを作り出せないようです。



terada-saurus
<生態>
●俗名:テラダザウルス(爬虫類ではありません。いちおう霊長類の仲間です。)
●別名:ミスター パラドックス
●生息地:夜の盛り場、主に歌舞伎町あたり。
●習性:もちろん夜行性。チェック柄の擬態で人の目を惑わす。
●性格:良く言えば凝り性、実態はかなりの粘着質。パラノイア()とも・・・・・。
●血液型:・・・謎。
●年齢:不明、気は若い。
●特技:毒舌(始まったら止らない独断場)。
●苦手なもの:ゴマすり、お世辞。(するのも、されるのも)
●飼育上の注意:できるなら近寄らない方が無難。ハマる覚悟が必要。

 
グループ・サウンズやニューミュージック、テクノポップ等にしても欧米の音楽の物真似から始まり、それに「日本の歌謡曲のスピリットを入れ醸造して日本独自のスタイルを生み出し」大きなムーブメントを作り流行にしたのですが、現在では日本の大衆音楽(ポップス)であるこの歌謡曲精神が入らず、より欧米の音楽に接近して行き、先の「日本独自のスタイルを生み出す」事をしなくなっているようです。確かにミュージシャンやシンガーのテクニックが向上し、より成熟している昨今では本場のロックやソウル(R&B)、ラップにより近く演奏出来てしまう事もあるのでしょうが、日本固有の音楽文化である歌謡曲のスピリットは忘れないで欲しいものです。もっとも、リスナーの個性も多様化して音楽への興味もより個性的な方向へ行き、60〜80年代のように一つのものが流行ると皆がそれに一斉に群がるという傾向はなくなって、爆発的流行を作り出せずにいる・・・・。という事もあるかも知れません。

話は変わりますが、昨今のJポップ界が影響を受けているのは主に英・米のポップミュージック(R&B、ロック、ラップ、等々)なのですが、これらのルーツは、19世紀後半に誕生した南部アメリカ黒人のフィールドハラー(労働歌)である「ブルース」なのは周知のことです。この「ブルース」は奴隷としてアメリカに渡ったアフリカ黒人が、厳しい労働条件と生活の中で、少しの潤いを求める手段の一つとして自然発生的に生まれた(魂の)音楽なのですが、そのプリミティブさ故に普遍的な要素を持っていました。この為、後に様々な音楽バリエーション生むことになるのです(ゴスペル、ジャズ、ソウル・R&B、ロック&ロール、ラップ等々)。

では、何故この「ブルース」がここまで変容し発展して、アメリカやイギリス等のポピュラーミュージックシーンの中核になりえたのでしょう?恐らくその生い立ちがフィールドハラー(労働歌)であることからそれまでの音楽にない憂いを帯びた力強いフィーリングが万人の心を揺さぶり(ブルースコードと呼ばれる3コード進行や暗喩に満ちた独特の韻をふんだ歌詞等)、人種の壁を越えて様々な音楽的アイデアをこの「ブルース」に込めたのではないかと思われるのです。特にアメリカは移民大国で人種の坩堝といえる環境です。色々な国の人達が「ブルース」に触発され各国の音楽と合体させてバリエーションが生まれたといえます。その最も顕著な例として「ロック&ロール」があります。これはイギリス(アイルランド)移民が齎したケルト音楽のアメリカ版である「ヒルビリー(カントリー&ウェスタン)」と「ブルース」の合体であると言われていて(この様な事例は多々ある)、このロックが御存知のように今日まで世界のポップミュージックの牽引役になって行ったのです。

こうして見ると、真にクリエイティブな事が起こる環境は、音楽に限らないことですが多種多様な人種の集まるアメリカのような国で、各民族・人種の様々な特長を注ぎ込みミックスすることによって誕生するということなのでしょうかその意味では日本のように長い間移民をあまり受け入れず、ほぼ単一人種・民族の国ではなかなか真にクリエイティブな事象は生まれ難いといえるかもしれません
今年に入って、Jポップ界にも少し面白い兆候が見えています。初の黒人演歌歌手ジャロ(そういえばインド人の演歌歌手チャダなんて人もいましたナ)のデビューや流暢な日本語で歌う2人のカナダ人フロントマンを持つ「モンキー・マジック」なるグループの出現等々{過去に日本で活躍した欧米の歌手にはベッツィー&クリス、ヒデとロザンナのロザンナ、アラン・メリル(米のジャズシンガー、ヘレン・メリルの息子)、テレサ・テン、アグネス・チャン(現役)等がいました}。
こういった(外国の)人達がJポップ界に新たな風を吹き込み、ワクワクするような音楽を聴かせて欲しいものです。では、今回はこのへんで、また次回・・・・・。

 

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