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アレサがブレークしたのは67年にアトランティック・レーベルへ移籍してからで、当時のプロデューサーはアレサの才能にハマリ、それまでのジャズ・ポップ路線からイッキにサザン・ソウルのスタイルで歌わせました。
サザン・ソウルはゴスペルをベースとしてR&Rやブルースのファクターをブレンドした、よりへヴィーなサウンドで、別名ディープ・ソウル(代表格に元ゴスペルシンガーのサム・クックやソロモン・バーク等がいる)と呼ばれていて、このスタイルがアレサの資質に見事にマッチしたようです。元々アレサの父親は高名なゴスペルシンガーで、やはり血筋ということなのか、品行方正なジャズ・ポップでは“アレサのゴスペルのDNAを持つ天才的なヴォーカルセンス”を遺憾なく発揮出来なかったということでしょうか(アレサのヴォーカルスタイルは一言で言うならば“剥き身の魂の露呈”正にソウルで、この表現は大げさではなく、この時期の彼女のアルバムをどれでもいいから聴くと納得すると思う)。 アレサの移籍後最初のシングルは「I Never Loved A Man」と「Respect」で、この2曲が今思えば私のアレサ・フランクリン体験でした。この67年当時、黒人女性ソウルソロシンガーなどほとんど皆無でしたが(この当時はグループとしての黒人女性シンガー達は結構いた、すなわち、シュープリームス、マーサ&ザ・バンデラス、アイク&ティナ・ターナー等々)、そんな時期に現れ、同じアトランティック・レーベルに在籍していた「オーティス・レディング」の「Respect」を彼女なりのアレンジでカバーするその新鮮な感覚は、新しい黒人女性シンガーのスピリットを表現する彼女の能力と、新たなソウル・ミュージックの到来を思わせるものでした。 この2曲は結局全米のポップ・チャートを席捲し{彼女はこの時期、次々に作品を発表し、68年だけで4曲のトップ10ヒットを出しました。余談ですが“Until You Come Back to Me(待ちこがれて)”はスティービー・ワンダーが67年に創作、録音も済ませていた曲でしたが、アレサのレコードがヒットするまで、彼のバージョンは発表されなかったといいます。それ程アレサは当時のシーンに影響をあたえていたのです}、アレサはこの後、レディー・ソウル、クィーン・オブ・ソウル等と呼ばれ、ソウル・ミュージックシーンに君臨することになるのですが、変わりばえのしないレコーディングと気の抜けたステージの繰り返しで、彼女は70年代の終わりにはスランプに陥ったようです(そういえばこの頃のアレサはヒット曲がなく、泣かず飛ばずだったような気がします)。 アレサが活気を取り戻したきっかけは最初にも書きましたが、ウェイトレス役でパワーに満ちた演技を見せた「ブルース・ブラザース」で、この後85年に「Freeway of Love」と「Who’s zoomin’ Who」で71年以来となる連続トップ10ヒットを達成しています。87年、アレサはジョージ・マイケルとデュエットした「I Knew You were Waiting(愛のおとずれ)」で2度目のHOT100のナンバー1に輝いています(ちなみに最初NO.1は“Respect”)。 90年代に入るとベイビーフェイスや若手のローリン・ヒル等とのコラボレーションで新たな境地を開拓、2003年には今のところの最新作アルバム「So Damn Happy」を発表し、アメリカツアーに出ました。これがアレサの最後のコンサート・ツアーになったらしいのですが、日本にも来て欲しかった(彼女は大の飛行機嫌いとの事なので、やはり無理だったのか、残念! )。 さて、ここでアレサの性格を垣間見るエピソードを一つ、アレサがメジャーレコード会社でデビューするきっかけを作ったのは、当時既に大スターであったサム・クック(元々ゴスペルシンガーの彼はアレサとはゴスペル仲間であった)で、そんな彼にアレサはメロメロで、10代そこそこなのにかなりの恋心を抱いていたようです。この時はサムの方が大人で、友達関係で抑えていたのでしょう。彼女は他の恋に落ちます。そして14才で出産、シングルマザーになり、10代のうちに2児の母親になったということです。・・・・・・ 何とも、かなりのませガキですな〜(笑) また、デビュー後に正式結婚した最初の夫にはDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)を受け、苦悩の日々を過ごしたといいます。アレサのダイナミックで陰影に富んだ凄みのあるヴォーカルスタイルはこんな様々な経験に裏打ちされているのかも知れません。 そういえば去年の春先にアレサ・フランクリン緊急入院のニュースを耳にしました。詳しい症状などは結局わからなかったのですが、年が明けた2005年の今現在、どうなっているのでしょう。特にその後何も発表されていないので、事なきを得ているのだと思います。 God Bless Aretha! では、また次回をお楽しみに |
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