エリック・クラプトン その壱

今年はブルースミュージックがアメリカで誕生してからちょうど100年にあたるそうです。アメリカでは映画「タクシー ドライバー」等の監督として知られるマーティン・スコセッシが製作総指揮にあたったプロジェクト“THE BLUES Movie Project” が注目され、関連のCDや本等が店頭を賑わせているようです。このためか日本でも各所で様々なギグやイベントが行われていて、私も暇を見つけてどれかに参加してみようと思うのですが、なかなか叶いません。

この「ブルース」という音楽、元はアフリカ系アメリカ人のワークソング(憂歌とも訳される様に、当初は当時の彼らの苦しい状況や心情を露呈するメッセージソングでもあった。ポピュラーになってからは恋愛感情や男女間のセクシーなテーマが多い)から発展してゴスペル、R&B、ソウル、ジャズ、ロック等のルーツで、また、現在のポップスシーンのメインともいえる音楽形態の重要なファクターになっています。


terada-saurus
<生態>
●俗名:テラダザウルス(爬虫類ではありません。いちおう霊長類の仲間です。)

ホンキーでも普段のBGMにはブルースをガンガンに鳴らしています。何故ブルースなの? と聞かれますが、特に今年がどうのこうのという訳ではなく、私の好きな音楽であらゆる意味で根源的でパワフルな魅力に溢れていると思うからです。

そんな訳で今回はこのブルースについてひとくさり、と思ったのですがミシシッピーデルタブルースとかシカゴブルースがあーたらこーたらとかのコアな話はやめて、ブルースにあまりなじみの無い人にも取っ付きやすい、比較的身近なブルースマンとも言える※「エリック・クラプトン」についての話にしました。悪しからず。(そういえば、冒頭に出たマーティン・スコセッシ監督の「ザ バンド」の解散コンサートを記録したドキュメンタリー映画「ラストワルツ」にもクラプトンは出てました。)
  ●別名:ミスター パラドックス
●生息地:夜の盛り場、主に歌舞伎町あたり。
●習性:もちろん夜行性。チェック柄の擬態で人の目を惑わす。
●性格:良く言えば凝り性、実態はかなりの粘着質。パラノイア()とも・・・・・。
●血液型:・・・謎。
●年齢:不明、気は若い。
●特技:毒舌(始まったら止らない独断場)。
●苦手なもの:ゴマすり、お世辞。(するのも、されるのも)
●飼育上の注意:できるなら近寄らない方が無難。ハマる覚悟が必要。

 
さて、エリック・クラプトンがイギリスのポップミュージックシーンに登場してくるのは、当時ストーンズと並んでブリティッシュR&Bバンドの雄と云われた「ヤードバーズ」への参加からです。1963年のことで、エリックは若干18才でした(恐るべし)。この頃のエリックはすでに知る人ぞ知る的存在で、英国の若手ブルースギタリストの中ではピカイチだったようです。その証拠に同じブリティッシュ・ブルース・ソサエティー(以下BBS)の仲間であり、後にヤードバーズ〜レッドツェッペリンを結成するギタリスト「ジミー・ペイジ」と幾度となくセッションをしており、評判を取っていたといいます。(このセッションの模様は70年代に出たブリティッシュブルースアンソロジーというLPに7曲収められていて、恐らくエリックとジミーが共演した最初で最後のものでしょう。)エリックがこの「ヤードバーズ」に在籍していたのは1年にも満たなかった様で(この時のプレイはFive live Yard Birds”のLPで聞ける)、ヤードバーズ脱退後、エリックはBBSの先輩であり、ブリティッシュブルース界の重鎮ジョン・メイオールの「ブルースブレーカーズ」へ参加(LP,BLUES BREAKERS John Mayall with Eric Clapton”)、そのアタックの強い圧倒的なギタープレイでイギリスでの人気を定着させた様です。

エリックはブルースブレーカーズ在籍中に知り合ったドラマー、ジンジャー・ベイカーから新グループの結成をもちかけられベースのジャック・ブルースと共にロック史に残る最強ロックトリオ 「クリーム(CREAM)」を結成します(1966年)。この「クリーム」というグループ、レコードとライブ演奏でのギャップが凄まじいグループで、同じグループとは思えない程。レコーディングでは当時のサイケデリックロックとブルースをうまく融合させた重厚なサウンドと多彩なアプローチによる高い音楽性を見せつけているのですが(その分、エリックのギタリストとしての存在感が薄い)、ライブになると一転、三人三様の長いインプロビゼーションを丁々発止と繰り広げる、まさに其々が操る楽器を媒介としたバトルの様相を呈していました。

私はライブレコードとビデオでしか体験していませんが、実際はその数十倍もの轟音と迫力だったのでしょう(エリックはライブの方が本来のギタリストとしての持ち味が出ていて、水を得た魚そのもの)。
これらライブにおけるクリームの演奏スタイルはジャックとジンジャーがアドリブが身の上のジャズ畑出身によるところが大なのだが、エリックも本来のブルースギタリストの面目躍如といった感があり、結果的に革命的なロックの演奏スタイルを生み出したといえるのではないでしようか。残念ながら「クリーム」は1968年に解散、その活動期間は3年と短かったが、ロック史に残した功績は大きいといえると思います。ホンキーでも「クリーム」の曲は演るので機会があれば見てください(但し、ライブ版ではありません)。その後、エリックは先のジンジャー・ベイカー、スティービー・ウィンウッド等と「ブラインド フェイス」を結成、解散、ファーストソロアルバム発表後、あの”レイラ”でおなじみ「デレク&ザ ドミノス」を結成するのですが、この続きは次回でまた詳しく、お楽しみに。

 
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