米・英POP音楽史 豆百科

前回のエッセイではホンキーのDJタイムでのテーマ曲からヴェンチャーズとアーチー・ベル&ドレルズという、いわばアメリカン・ポップスシーンの(ある意味)キワ物的ミュージシャン達を取り上げたので、今回はアメリカン・ポップスシーンの歴史の中でも比較的メジャー級のミュージシャンを取り上げました。 *THE MONKEES(モンキーズ)です。
このグループを選んだのは最近「ホンキーのフィギュアコレクション」に加えたフィギュアの中に、このグループのBOBBLE HEADS(首ふり人形)があったからです。 さて、ではスペースに限りがあるのでそろそろ本題にいきますか。

60年代のアメリカのポップ・ロックシーンは“ビートルズ”や“ストーンズ”をはじめとするブリティッシュインベージョンの煽りをモロに受け、ティーンエージャー達の聞く音楽はモップトップ(マッシュルームカット)達のブリティッシュポップ・ロック一辺倒に近い状態でした。これに危惧を抱いたアメリカのショービズ業界は何とかアメリカ産のアイドルを排出せねばということで戦略的に推し進めたのがモンキーズプロジェクト(当時そう名付けたかは判りませんが)です。

このプロジェクトは当時のアメリカン・ポップス界の重鎮、ドン・カーシュナーの総指揮のもとTV番組制作を先行して、オーディションにより集められるというアメリカならではのスター製造戦略でありました。(このTV番組は日本でも60年代後半に当時では珍しくアメリカとあまり時差がなく放映されていたので、私と同年代の中高年のPOPSファンには懐かしく思い出されるでしょう。) いわば、この「モンキーズ」(正確に言えばモンキーズの音楽)は米国音楽界の精鋭達が総力を結集して作り上げた60年代の米国屈指のポップ芸術品といっても過言ではないのです。

  terada-saurus
<生態>
●俗名:テラダザウルス(爬虫類ではありません。いちおう霊長類の仲間です。)
●別名:ミスター パラドックス
●生息地:夜の盛り場、主に歌舞伎町あたり。
●習性:もちろん夜行性。チェック柄の擬態で人の目を惑わす。
●性格:良く言えば凝り性、実態はかなりの粘着質。パラノイア()とも・・・・・。
●血液型:・・・謎。
●年齢:不明、気は若い。
●特技:毒舌(始まったら止らない独断場)。
●苦手なもの:ゴマすり、お世辞。(するのも、されるのも)
●飼育上の注意:できるなら近寄らない方が無難。ハマる覚悟が必要。

 
ソングライター&プロデューサー陣は、ボイス&ハート、キャロル・キング&ゲーリー・ゴーフィン、二ール・ダイアモンド、二ール・セダカ、デイヴィッド・ゲイツ、ジェフ・バリー、等々とくればヒットして当然なのですが、しかし、歌が魅力的でなければ10代の女の子達のハートをときめかせることはできない。その点、デイヴィ・ジョーンズとミッキー・ドレンツというタイプの違う魅力的なヴォーカリストのいるモンキーズは向かう所敵無しといった感じでした。また、ギタリストのマイク・ネスミスのオルタナーティブなカントリーロック指向もなかなかおもしろいのです(マイクはモンキーズ解散後”ファーストナショナルバンド”というカントリー・ロックバンドを結成する)。あの今は亡き怪人ロッカー、フランク・ザッパも出演しているモンキーズのシュールなカルトムービー「HEAD」も最近DVDで出たと聞きます。ABBAの次はどうやらこのモンキーズのリバイバルでしょうか(苦笑)?
それにしてもこのモンキーズ、ビートルズ等の悪く言えば二番煎じなのだがモンキービジネス(インチキ商売、悪戯行為)に終わらずに60年代アメリカン・ポップスシーン最大のスターアイドルにしてしまったのは、米国ショービズ界の恐るべき底力のなせる業なのでしょう(微笑)。

 
Back Number ⇒ |04.6.1604.5.16