<放談3月>
「ブラックドッグ※1」の見識
いやはや、2008年に入ってからはたて続けに煩型のゲストがご降臨。テラダ某も少々食傷気味で、この辺でチョット気を抜きたいのですが、今回はどうなることやら。それはそうと、そろそろ新規一転の季節で色々と事が蠢き始める頃になっています。このお国も新規一転と行きたいところですが、何だかあまり芳しくないようですナ。せめて今回の放談だけでもスッキリと歓談したいのですが、どうでしょうか・・・・・・・

トマスおじさん:
(トマス・H・モア) 
(ポンッ)“Brand new day” じゃぞヨ、テラダ某 今日は初めて我が同国の士を連れてまいったゾ。

チャーチル卿: (スポンッ)How do you do・・・?  Victoryですぞ諸君(Vサインでご挨拶※2)。 我輩がウィンストン・チャーチルだが・・・・、よろしく願いたい。

テラダ某:



チャーチル卿:
は、はじめましてテラダ某と申しますゥ〜。まさかとは思いましたがチャーチル卿とは、そう言われて見ればトマスおじさん、初めての同国の方ですネ、よろしくです。

しかしながらモア先生、スターリンとアドルフの次とはけしからんのではないか。どういう意図があっての計らいかね


 
トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
まったく、権力を握ったものは皆同じゃナ、アドルフも似たようなことを言っておったゾ、何でも自分が先にこないと気がすまんらしいわい。ユーレイになっても自己顕示欲は衰えないのかの〜、やはり新参ユーレイは世俗の垢が抜けておらんな。

チャーチル卿: これは、これは、いきなり失礼した。しかしながら権力者というのは、どのような些細な事でもポジティブに捉え、万事先行して物事を進めなければ人心を掌握することなど出来ますまい。反せば「チェンバレンがやったナチスへの宥和政策によるミュンヘン協定※3」やロイド・ジョージが考えていた「妥協の平和※4」などでは、先手を打てずにヒトラーをつけ上がらせ全く残念なことをした。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
なるほど、チャーチル卿らしいリアクションじゃの〜。ユーレイになっても反骨精神は健在じゃナ〜。しかしな、チャーチル卿もスタさんやアドルフ程ではないがケッコウ冷酷な事をしておるぞヨ。意図といえば、その分で3番目の御登場かの〜。

チャーチル卿: んッ、それはどうゆう意味ですかな

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
お惚けなさるな、チャーチル卿。コヴェントリーの件じゃヨ※5。ほれ1940年11月14日と15日にかけて行われたドイツ軍のコヴェントリー爆撃じゃよ。この事は暗号解読で事前に解っておったのにワザと見過ごしておるの。思いだしたかいくら暗号解読済みの事実をナチに知られたくないからといって、あんまりではないかの〜。この意味で、冷酷さに於いては3人は同じじゃよ。

チャーチル卿: お言葉ですが、トマス先生。国家権力を掌握するとは、そういうものでありませぬか特に戦争においては、冷酷さ・・、いや合理的決断も必要ですぞ。戦いはきれいごとでは出来ますまい。我輩の判断には一点の曇りも無いと、今でも確信しておりますぞ。

テラダ某: 何とも、国家権力てッ残酷なんすネ〜。ところで、お初の同国の方でお話が弾んでおるところ何ですが、大政治家のチャーチル卿のお眼鏡で見て、今の日本の政治家をどう思うでありますか〜(恐縮しながら)。

チャーチル卿: テラダ某といわれたか、君は自国のミスター白洲(次郎)※6を知っておるかね? 彼も言っておるが、“プリンシプル(Principle)”である。日本(の政治家)にはこれがない。

テラダ某: もちろん存じてます〜。最近いろいろ取り上げられてますです。白洲さんはプリンシプルの意味を日本語では表しにくいと言ってましたが、でも確か原理・原則とか言う意味ですよネ〜。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
“天上から見ている”とよ〜く判るのだが、最近の日本の政治家は小じんまりしておって、大物らしい風格の人物はトンと出てこんの〜。

チャーチル卿: それよりも戦後、多くの日本の政治家は利権にまみれ、本来やるべき事を疎かにしているのではないか 

テラダ某: うすうすそう思ってましたが、やっぱりそうッすヨネ〜。

チャーチル卿: “天上から見ている”ついでに言えば、このあいだ中国の瀋陽で日本の領事館員が自殺しておるな。※7

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
フムッ、あれは「ハニートラップ」じゃな。


テラダ某: それッ、何すかネ

チャーチル卿: 共産主義国家特有の古典的色仕掛け手段であるな。そういえば我が国にも嘗て、そのような事件があったわい。何でも国防を預かる責にあるものが「ハニートラップ」に引っかかっておるではないか大英帝国人としては情け無いことよ(苦笑)。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
そんな事は、表面化していないだけで多々あるぞヨ。日本の場合は政治家や外交官だ けでは無く、財界人までウジャウジャ引っかかっておるのではないか
それにしても、下半身のプリンシプル(原理・原則)には忠実じゃの〜(爆笑)。

テラダ某: うまい、 座布団1枚

チャーチル卿: “当たらずとも遠からず”ですなトマス先生。これは微中や微朝といわれる政治家や外交官に多いのではないのかそれと、またまた“天上から見ている”ついでだが、日本には売国政治家が確実に存在しておるな。

テラダ某: そう言われてみれば、日中国交回復以来の対中国外交や日本の戦後以来の北朝鮮外交にしても何か胡散臭いすネ。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
何じゃ、今頃気がついたのかネ。お前さんも相変わらず鈍いの〜。
もチット、しっかり自国の事を観察せられませい

チャーチル卿: 現在の日本は、極東で“頗るアブナイ状況”になっておる。こういう時にこそ我輩のような愛国心溢れる強力なリーダーが必要なのだが、どうかね?

テラダ某: どうかね? てッ 売り込みですかい、しかしチャーチル卿もソツがないんすネ。
これも指導者たる権力者の素養ですか〜。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
それにしてもだナ、日本もそろそろ「戦前は全て悪」という日教組やG.H.Qによる歴史の断絶を見直して、正しい歴史認識を国民に啓蒙する政治家が現れんと、日本の未来は暗いぞヨ。然るに、啓蒙と言えば(プロパガンダの上手い)スタさんとアドルフにも登場ねがって、この際チャーチル卿とトリオで日本を指導してもらうというのはどうじゃナ。

テラダ某: ゲッ そ、それは究極の「トロイカ体制」でんがナ(満更でもなく)。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
冗談じゃヨ。お前さんも言うておったろうユーレイなんじゃよ、ユーレイ。現実に指導は出来んのヨ。だが、なかなか良いアイデアではあるの〜。やはりこの位の超強力体制ではないと(日本の場合)二進も三進もいかんかもナ。

チャーチル卿: 我輩は御免蒙る。奴らとは“プリンシプル”が合わんでな(嘲笑)。

トマスおじさん:
(トマス・H・モア)
じゃから、冗談だッちゅうの
そんなことより、幽体エネルギーが減少しておる故に、この辺で帰るぞヨ。
では、またなテラダ某

チャーチル卿: So long・・・・・・・ !

テラダ某: チョット、チョットさっきの「トロイカ体制」ですが・・・・?????


  <註 解>

※1.「ブラックドッグ」
 
チャーチルは生涯にさまざまな病気を患っていた、躁鬱病もその一つで、これは彼の実務に影響を与え、しばしば現場を混乱させた。彼自身は躁鬱病を「私の中の黒い犬」と呼んでいた。

※2.「Vサイン」
現在では「ピースサイン」で通っているが、第二次大戦中チャーチルが戦争の継続と勝利への強い意志を表す為に使用して一般的になった。「Vサイン」のV はVICTORY(勝利)の頭文字。ちなみに「ピースサイン」と変えたのは、日本に2発の原爆が落とされて平和が近づいたことにあるという・・・・。2本の指は広島と長崎を意味している。

※3.「宥和政策(Appeasement)」
戦争に対する恐怖、倫理感、あるいは実用主義等にもとづいた戦略的外交手段で、敵対国の主張に対し、相手の意図をある程度尊重する事により問題解決を図ろうとするもの。危機管理においては、抑止の反対概念として理解されている。日本ではチャーチルの前の英首相ネヴィル・チェンバレン(1869〜1940)の対ドイツ政策を指すが、一般的には「盲目的戦争嫌悪で、ファシストに譲歩した軟弱外交」と言われている。しかし、広義での宥和政策は価値中立的政策である{1938年、ヒトラーがチェコスロバキアのドイツ人多数居住地域であるズデーテン地方を要求した事を受け、英、仏、独、伊、4ヵ国の首脳会議(ミュンヘン会議)が行われた。チェンバレン首相は平和主義の為と戦争準備の不足から、この要求をのんだ(ミュンヘン協定)。しかし1939年、ヒトラーはこの協定に反しチェコスロバキアを解体し、チェコを併合した。世論は憤慨し、チェンバレンは辞任、失意のうち死去する}。

※4.「妥協の平和」
ナチスによる英国への侵略に際して、長期の消耗戦を強いられると考えたロイド・ジョージ(1863〜1945、第一次大戦当時の英国首相)は、“犠牲の多い戦い無しにナチスと戦えるか、アメリカの援助は期待できるか”この二つの問題に悩み「妥協の平和」なるものを考えるが、その内容は今だに明瞭ではない。

※5.「コヴェントリー」
戦いの帰趨は、敵の情報を正確に入手することであるが。第二次大戦当時、ナチの連絡網に使用されていた「エニグマ」暗号は、最も解読の難しい優れた暗号として有名であったが、1939年に英国はこの暗号解読法(通称ウルトラ)を入手する。このことをナチスに知られたくなかったチャーチルは、英国中央部にある工業都市「コヴェントリー」へのナチスの爆撃を事前に暗号解読により察知していたが、「ウルトラ」の存在を隠蔽する為この爆撃をあえて見過ごす。この事により同市は壊滅的打撃を受けた。この爆撃は「空爆で壊滅する」という意味を持つCoventraizeなる新しい動詞をも産み出すほど英国人にとって悲惨な出来事である。被害の規模としては、東京大空襲、ドイツのドレスデン大空襲に匹敵する典型的戦略無差別爆撃であった。

※6.「白洲次郎」(1902〜1985)
本業は実業家だが、終戦直後、米GHQ支配下の日本で、当時の首相「吉田茂」の側近として活躍した。貿易省(通産省)長官等を務める、日本独立復興後は、東北電力会長等を歴任した。彼は1920年代に英ケンブリッジ大学に留学し、西洋中世史、人類学等を学ぶ、当時の日本人としては上背があり、ダンディーであった。また、留学での英語力と持ち前の“何事にも媚びず信念を通す姿勢”をかわれ上記の任に就いたと言われている。彼の生き方は現在人気を博し、いろいろと書物が出ている。

※7.「参 考」
「上海総領事館員自殺事件」の当事者は在日本国総領事館に勤務する当時46歳の既婚領事であった。彼は総領事館の通信事務を担当しており、機密性の高い文書を扱っていた。報道された彼の遺書の内容は次のようなものである。2003年当時、彼は中国人女性と交際していた。彼女は6月にカラオケ店で中国情報局に売春容疑で拘束された。当局はこの女性を罰せずに釈放。彼女を媒介として情報局は館員と連絡をとるようになった。その後、情報局は国家安全省を名乗り、館員、総領事または主席領事のいずれかと連絡を取りたいと要求する。館員はこの事を先の情報員に相談すると、後、上記要求者を逮捕したと告げた。これは全て情報局が仕組んだワナであり、逮捕は館員に恩を着せるためであった。この後、館員は中国側が更に重要な情報を要求するであろうと考え、「国を売る事は出来ない」と書き残し、2004年5月に自殺する。
   
   
「ブラックドッグ※1」の見識

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