E先生の思い出

 今年ももう年の瀬。皆さんのこの一年はどうでしたか ワタシは例年にも増して、あれこれ動いた一年でした。このホームページをはじめ、Honkyにご来店いただいたお客様に心より感謝いたします。歌舞伎町“冬の時代”がヒタヒタと近づいてくる今日この頃、ワタシもHonkyも、そんな試練を吹き飛ばそうとさらにパワーアップしていきますので、よろしくお願いいたします。

さて今回は、ワタシの思い出に残る先生のお話。記憶に残る先生には必ずエピソードがありますよね。そんな先生・・・・・、私が高校3年生のときの担任(ここではE先生としておきましょう)も忘れられない方です。体育会系ではないのに男気があり、担当学科は社会の地理、生活指導の先生でもないのにおっかない先生って、そんなタイプは少ないですよね。

このエッセイをお読みの方は、ワタシの素行態度が決して良くはなかったのを先刻ご承知でしょうが(苦笑)、不良連中と楽しくヨロシク遊んでいましたから、E先生にお世話(・・・・・)になったのは、一度や二度ではありません。(まぁ自己弁護すれば、一方で頭のいい連中ともうまく付き合っていたんですがね。ワタシの二重人格の賜物??)。そんなエピソードを1つ。

まだE先生が担任になる前の高二の時のこと、不良仲間がエレキバンド(古っるー)を呼んで、当時流行っていたダンスパーティ(所謂ダンパですな)を開くというので、学校をサボって出かけたのです。丁度アルコールも回って、ナンパもこれからいいところ()という時に、生活指導の先生に踏み込まれ、目出度く無期停学を食らったことがありました。その生活指導の先生というのが体育の教師で、体育教官室に呼び出され、こっぴどくやられてからは、それ以後ワタシは、ソイツから「前科モノ」と呼ばれていました。今でも恨んでいるのは、丁度、停学中に行われた修学旅行に参加できなかったこと。自業自得とはいえ、あぁ、大阪・京都は楽しかっただろうに(残念っ・・・・・コレ今年の流行語)。

さて、高校3年のときに、E先生が担任になったのですが、私の遊びグセ()はますますひどくなり、学校をサボるのはしょっちゅうのこと。その時も池袋に映画を見に行き、盛り場で遊んでいたのがバレてしまい、E先生からお袋に呼び出しがかかったのでした。当然それまでのワタシの素行の悪さを叱責されるのがオキマリで、赤鬼のような形相のお袋に大目玉をくらうのを覚悟していたのですが、意外にも帰宅したお袋は、赤鬼どころか嬉しそうな顔・・・・・ 怪訝に思いながらも神妙にしていると、お袋いわく、「お咎めなんてゼンゼンなし。アンタのことを見所があると庇ってくれていた。」というのです。

話を聞いてみると、その時お袋に話をされたのがE先生で、当時先生の授業を受けていたワタシの普段の行い(勉強も出来ないほうではなかったし・・・・・へへッ)も知っていたE先生は、お袋に向かって、「あんたの息子はヤンチャが過ぎることもあるが、決して人に迷惑をかけるようなヤツではないよ。見所あるヤツだから、何とか大学まで行かしてやりな。願書だったらどこへでも何通でも書いてやるよ。」と言ってくれたそうです。そのおかげでお袋の泣き顔を見ずに済んだし、留年もせず無事高校を卒業できたのは、E先生のそんなフォローがあってのことと感謝しています。

受験でもありがたいアドバイスをもらいました。ワタシの通っていた高校というのは、某私立のまあまあの進学校だったのですが、歴史が好きで文系志望だったワタシに、受験教科は歴史ではなく地理にしろと教科変えを勧めたのです。今でもそうでしょうが、歴史モノは暗記が中心で、満点を取るのは至難の技ですが、それに比べて地理は体系だてて勉強できるため、高得点が取りやすい()ということでした。果たしてそれが大成功 E先生が授業で重点ポイントだと教えてくれたところが入試で大当たりし、見事ワタシは志望校へ合格できたのでした。

授業で思い出すのは、いつも右手をズボンのポケットに突っ込み、左手で板書する姿で、なんとなくカッコいいなぁと思って見ていたのですが、後で知った真相は、そんなカッコいいものではありませんでした。というのは、E先生は学生時代から登山が趣味で、夏冬問わず挑戦していたらしいのですが、ある冬の登山で遭難してしまい、あわや命を落とすかどうかの瀬戸際で、なんとか命は取り留めたものの、右手首から先を凍傷で失くされていたのでした。ある意味、ギリギリのところを見た人間の凄みというか、達観というのか、他の先生とはどこか雰囲気の違う方でした。

そんなお世話になったE先生ですが、心の中では恩師と思いながら、実は高校卒業以来お会いしていないのです。当時30代半ばくらいだったでしょうから、今では70歳を越えておられるでしょうか・・・・・・。

E先生・・・・・。テラダはここ歌舞伎町で、真っ当に生きておりますぞ〜(なんてね・・・笑)

 
2004/12/16
株式会社フレーバーハウス
てらだ ひでお
 
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